起業したときは、経営者はやる気満々です。
創業計画書などを見せていただくと、とにかく数字が大きめに記入されています。
売上も、経費も、利益も、全てです。
全体的に数字が小さすぎることはまずありません。
この場合のほとんどがどのような結果になるかというと、、、
売上と利益は計画に遠く及ばず、経費だけは計画を超えてきてしまいます。
そこから軌道修正が可能な場合もありますが、修正不能の場合は起業が失敗に終わるということです。
そこでそうならないための大切な考え方と計画の立て方をお伝えします。
このような結果になってしまう原因は、経費は計画通りに使うのは簡単ですが、売上は計画通りにあがらないからです。
これはその経営者が未熟であったり、計画が無鉄砲すぎるわけではありません。
ビジネスはほとんど予定通りに行かないものです。
その事実を踏まえて、計画を立てる必要があります。
計画を立てる段階で経費の見積もりに関しては、とにかくミニマムに行うことです。格好良さは要りません。
格好良い事務所を構えたいとか、立派なお店を作りたいという気持ちはものすごくよくわかります。多店舗展開をしたり、たくさんの従業員を雇用したいという気持ちもよくわかります。
でもそれらは全て経営が軌道に乗ってから考えることです。
起業時はとにかく経費をかけずに、ミニマムに全て自分でやる覚悟で計画を立てることが重要です。
自分の給料についても、すでに大成功した社長のような給料を計画する人もいますが、これも大きな間違いです。
余分な税負担が発生し、経営の足かせになります。
まずは自分ができる仕事は全て自分で行い、外に出る経費を徹底的に抑えて、経営を軌道に乗せることが重要です。その後初めて人を雇ったりして自分の仕事を任せていくことになります。
具体的には、固定費はなるべく少なく、経費は変動的に発生するようにします。
改善例を具体的に説明します。
◯最初の計画が正社員3人の場合
↓
正社員1人、パート1人
(忙しい場合はパートの追加、外注などで補填) ← 変動化
◯普通にお店を賃貸して開業
↓
既にあるお店の一部を利用させてもらって手数料を払う
以上は比較的簡単な改善例ですが、固定の経費を少なくし、売上に応じて経費をかけていくことでリスクが減少します。
このような改善は事業の種類や社長の才能にもよりますが、一生懸命考えれば必ず見つけることができます。
最初だけは格好良くなくても、自分の苦労が多くても、かかる経費は最小になるように計画を立てなければなりません。
後に「最初から人雇っておけばよかったよ~」とか「最初から立派な立地にお店出せばもっと成長が早かった」ということになるかもしれません。
でもそれは経営を軌道に乗せた後に言えることで、多少遅いと感じてもそのときにそのようにすればいいだけのことです。
最初から固定費を多額に計画して、起業が失敗しては元も子もありません。
既に成功した経営者を参考にしたり、最初のやる気と勢いに任せて、
固定の経費が過大になるという罠に陥らないように気をつけてください。
※補足
いつまでも経費をかけずに自分一人で全部やるべきと言っているわけではありません。
それだと経営を発展させることが出来ません。
将来的には、売上と利益につながる固定費を拡大させていくべきです。
まとめ
・売上は計画通りにならないことがほとんど
・経費がなるべく少なくなるように計画を再検討する
・自分の時間や効率、格好良さは経営が軌道に乗ってから