節税については「お金が出ていかない節税」と「お金が出ていく節税」があります。詳しいことはこちらの記事をご覧ください。
資金を失ってしまう間違った節税対策とは?
お金が出ていかない節税の例示として、
未払経費の計上、引当金の計上、資産損失の計上などを掲げました。
ただこれらの処理は正確な決算整理として当たり前のことで、通常税理士などの専門家がついていればキッチリ処理してくれるはずです。
実はこの他に、もっと大事な資金ゼロで出来る節税対策があります。
それは利益の分配方法の調整です。
事業で得た利益をどこに残すか、
誰にどのように分配するか
この選択により、負担すべき税金の額が大幅に変わります。
この場合注意しなければいけないのが、社会保険料です。
社会保険料は税金と同じものと考えて、その負担を考慮しなければなりません。そうでなければ真の節税対策とは言えないのが、現在の経営環境を取り巻く公的負担の状況です。
事業で得た利益を会社に残すのか、
それとも個人で取ってしまうのか
というのが大事な選択肢となります。
経営者は自分の給料を自分で決めることができます。
利益以上の給料をもらうこともできますし、利益はすべて会社に残し、全くの無報酬とすることもできます。
この二つは極端な例ですが、このバランスをちょうどいい具合に調整し、税負担を最小化することにより節税が可能となります。
つまり自分と自分の会社にとって、もっとも有利な役員報酬はいくらなのかを試算して、その最も有利な役員報酬を決定するのです。
場合によっては役員報酬ではなく、事務所の家賃、又は株式配当などで受け取ることで、より節税になることも考えられます。
また家族で仕事をしている場合、自分だけが給料をもらうのではなく、その家族にもうまく分配することで、さらに利益の分散化ができて、税負担の総額を下げられます。
最適な利益配分のバランスともらい方を求めることで、
外部には一切資金を支出せずに節税ができることになります。
単純に会社の利益がゼロになるようにすれば節税になっていると考えている方もいますが、これは大きな間違いです。
すべては会社の税金と個人の税金のバランスで考えるべきなのです。
最近は年々、法人税(会社にかかる税金)率が低くなり、個人にかかる税負担(社会保険料を含む)が増加傾向にあります。一昔前の常識で、法人税ばかり節税していては大きく節税対策を見誤ることになります。
自分の給料の設定を間違うだけで無駄な負担を強いることになってしまいます。
まとめ
利益をどのように残すか、分配するかで税負担の総額は変化する。
最も有利な配分方法を検討しなければならない。
法人税率は年々低下している。そんなご時世に法人税さえ少なくすればいいという考えは大きな間違い。