弊社では経営者にとっての財産を
「力」・「人」・「財」と定義しています。
これらは経営を継続し発展させるために
必要不可欠なものです。
今回はそのうちの「財」について、
経営者の出口戦略とともに説明します。
「財」は経営して行くうえでも大事な財産です。
しかし最も重要なのは将来に備える「財」です。
収入の種類は、大きく分けて2つあります。
それは「労働収入」と「資産収入」です。
自分で働いて稼ぐ収入が「労働収入」で、
保有している資産が稼ぐ収入が「資産収入」です。
どちらも収入ですが、そこには大きな違いがあります。
まずはここの認識が重要です。
起業家・経営者の方もほとんどの場合、
自分自身がプレイングマネージャーです。
単価や効率に違いはあっても、
労働収入がメインであるという方が多いと思います。
30代、40代のうちは全力で体力勝負できます。
しかし年齢を重ねる毎に、無理はできなくなります。
いつまでも自分の労働力だけに頼っていては、
いずれ収入は尽きてしまう可能性があります。
そこで経営者は徐々に労働収入の割合を減らし、
「資産収入の割合を増加させる」必要があります。
ここはとても大事です。
資産収入とは「財」から生じる収入です。
地主の方はその土地から生じる不動産収入であったり、
株主は配当収入や株式の値上がり益などです。
同じ配当収入であっても毎月配当利回りを計算して、
常に相場をチェックして時間を費やしている場合、
それは資産収入とは言えず、
どちらかというと労働収入になります。
同じく株式売買の利益であっても、
毎日相場に張り付くデイトレーダーなどは
労働収入と認識すべきということになります。
その観点から経営者にとっての
資産とは何が該当するのでしょうか?
経営者が形成しやすい資産は以下の3種類となります。
1・自社株(会社)
2・賃貸不動産
3・金融資産(非課税利用)
今回はこのうち、1の自社株(会社)について説明します。
すでに会社経営をされている方は、
その会社の株式を所有しているはずです。
雇われ社長でない限り、
自分が社長を務める会社の株式は
自分で所有しているのが一般的です。
ただ、自分が働かないと稼げない会社の株式は、
残念ながら真の「財」とは言えません。
自分が仕事をやめた瞬間に
株式の価値は無くなってしまうからです。
しかしこの自社株を本当の資産収入が得られる
「財」へと変換すれば、これは大きな「財」となります。
会社を大きくして上場させたり、
M&Aで高額で売り抜ける
という大きな目標でもいいですが、
そこまで大成功しなくても全く問題ありません。
ただ自分が労働しなくても会社が稼げるように
仕組み化と組織化をすればいいだけです。
それには大勢の従業員を雇う必要もありませんし、
多額の設備投資をする必要もありません。
ただ自分がいなくても通常業務がまわるようにするだけです。
「通常業務」というところがポイントです。
ある程度経営者として仕事はしなくてはなりませんが、
社長として会社経営を行うことで役員報酬が得られて、
株式の価値は増大化して配当収入などを得ることができます。
不動産賃貸にしても株式投資にしても、
ある程度の管理や手間はかかります。
それに比べれば会社を自分がいなくてもまわるように成長させ、
その会社の社長として経営のみ行うということは、
費用対効果は大きいものになります。
会社経営者が最も財産収入に転換しやすい「財」は自社です。
是非いま一度、
「自分の会社を本物の財産にする方法」を検討してみてください。
そして労働収入に頼らない「財」による収入の割合を増やして
将来も安定的に収入を得られるようにしていただきたいものです。
まとめ
1・経営者は労働収入を徐々に資産収入に変えていく必要がある
2・最も身近で転換可能な財産は自社株(会社)