税金には同じ金額の収入を得ても
負担率が大きなものと小さなものがあります。
この負担率の違いを上手に利用することで、
実質的に残る財産を増やします。
本物の資産家はこの税率の違いを
上手く利用しています。
税率の違いには大きく分けて2つの種類があります。
「累進課税による違い」と
「所得の種類による違い」です。
それぞれ詳しく説明していきたいと思います。
1・累進課税のよる税率の違い
累進課税による税率の違いについては、
実例で説明させていただきます。
たとえば所得税は最低税率は
5%となっていますが、
その後所得金額が増えると10%、20%と
段階的に割合が上がっていきます。
そして最終的な最高税率は
45%となってしまいます。
同じ稼ぎ方でも金額によって
5%の場合もあれば、
45%になってしまう場合も
あるということです。
同じく贈与税についても
最低税率は10%ですが、
金額によっては最高税率に達すると
55%となってしまいます。
そこで税率が上がってしまわないように、
様々な対策が行われます。
一度に多額の収入を得ると
税率が上がってしまうので、
これをそうならないように年度を分けたり、
人を分けたりして対策します。
会社の利益について代表者が
すべての報酬で受け取ってしまわずに、
会社に利益を一部残したり、
配偶者へ分散するなどして対策します。
他にも贈与税などでも分散する手法は有効です。
こちらは財産形成に大きな影響を与える
節税の基本的なものです。
2・所得の種類による税率の違い
もう一つの「所得に種類による違い」は
逆に応用編のような考え方になります。
退職金以外で税率が優遇されている主な所得は、
不動産・株式売却益による所得、
上場株式の配当などです。
これらの所得は概ね20%で済むように
設定されています。
自分の所得を給料だけでなく、
不動産、株式投資などへ分散していくことで
税率が高い方は低い税率を
使用することが可能となります。
最高税率が所得税・住民税合算で55%の方は
これらの所得へ収入構造を変化させることで
どれだけ利益を得ても20%の税負担で済む
仕組みを構築することができます。
資産家が株式や不動産への投資をするのは、
こういった理由もあるのです。
経営者の方の場合、
自社や自社所有不動産などを利用して
こういった所得へのシフトも
一般の方より簡単にに進めることができます。
3・税率の違いの使い方・まとめ
稼げば税金の負担することは当たり前のことで、
納税なくして大きな財産形成は不可能です。
しかしその負担率を上手に調整することで、
より有利に財産形成が可能となります。
税率の低い高いの判断は
負担率が20%未満は低率、
負担率30以上は高率、
と考えていただいて問題ないでしょう。
・低率な負担で済む税金はなるべく納める
・高率な負担は低率になるように工夫する
このような考え方が大事になります。