節税はすべきです。
脱税は許させれませんが、節税は納税者の権利です。無駄な税金は払わないようにしなければ、大切な経営資源が社外流出することになってしまいます。
しかし法律で許されるからと言って過度な節税をしてしまうと、会社の経営を危うくしてしまいます。
節税には大きく分けて二つの節税があります。
それは「お金が出ていく節税」と「お金が出ていかない節税」です。
「お金が出ていかない節税」についてはなんの問題もありませんので、どんどん実行すべきです。
具体的にはちょっと専門的な話になりますが、未払の経費、引当金、特別償却、資産の損失、評価損などの計上が該当します。また旅費日当、社宅家賃などの非課税の利用もどちらかといえばこちらに該当する積極的に利用すべき節税対策となります。
問題となるのは「お金が出ていく節税」です。こちらは慎重な選択が必要になります。「お金が出ていく節税」にもさらに二つの種類があります。それは「リターンのある節税」と「リターンのない節税」です。
リターンとは文字通りお金が戻ってくるということになりますが、直接的にお金が戻ってくるものとなんらかのかたちで間接的にリターンとなるものがあります。
直接的にお金が戻る節税としては、セーフティネット共済、生命保険などへの加入が代表的なものです。利益を繰り延べることで将来へのリスクに対応できることになるので、資金に余裕があればある程度効果のある節税対策と言えます。
次に「直接的にお金が戻るわけではないけれどリターンが期待できるもの」
ここの選択が会社の将来を大きく左右します。
ここでの節税対策として支出したものが後々の会社の業績を向上させるものであればその節税対策は成功と言えるでしょう。しかしお金を出したけど全くその後の業績の向上に貢献しなかった場合は、ただの損失となってしまいます。それは節税にはなったのかもしれませんが、節税以上にただの損失を出したということを認識しなければなりません。節税対策なんかしない方が良かったということになります。
節税対策の難しいところはこのリターンの測定につきます。よりリターンの大きい節税対策が会社の将来を大きく左右します。
具体的には、利益に貢献した人への還元、会社全体のスキルアップ、設備や仕組みへの先行投資、広告宣伝などが検討すべき項目となります。
最後に「リターンのない節税」については、、、ここまで説明すれば言うまでもありませんね。
お金が出ていくリターンのない節税対策を繰り返せば、会社は成長できず、資金を失い、いずれ力尽きてしまうのです。